「秋那ー、今日学校休みだけどどっか行く?」





 …。





 「あー、ちょっとぉ、なんで寝るような体制に入ってるの?」





 …あー、もうッ!!





 「あのなぁ、唯太ー俺は夢落ちってゆー落ちを期待してこの体制になってるんだ」





 「夢落ちー?」





 唯太がとうとう馬鹿になった。
俺は胸に手を当ててため息をつく。
…胸がある。





 「あぁ、女の子の服ないから外でれない?」





 「あのなぁ、俺は女ってゆーのがいやなの!!もっかい寝て起きたら元の男に戻るかもしれねェ」





 半分以上は無理だとわかっている。
それでも自分の身体がしんじられない。





―バッ





 「ちょっ馬鹿ッ!!」





 布団を剥がされた。
俺は普段からYシャツにジャージズボンをはいて寝る。
しかしこの身体になった瞬間胸がきつくなった。
仕方なくボタンを一つあけると興奮するくらいエロい格好になる。






 「秋那…それはえっちだよ///」





 「見るのは好きだが見られるのはいい気がしないな…」





 ちょっと鏡の前に行ってまじまじと自分の姿を改めて見つめる。
俺って…髪伸ばすと案外綺麗なんだな…。
てゆーか身長ちっせーし筋肉も無くなった。
すね毛とか色々消えてた。
なんか寒ぃ。





 「美少女だね」





 「少女じゃねェッ!!!!」





 「でもとっても可愛いよ」





 どっからか持ってきたらしい櫛で俺の髪をといでくれた。
サラサラと胸まで伸びた髪が揺れる。






 「なんか…彼女できたみたい///」





 …は?






 「何いってんだお前、頭かち割るぞ」




 「怖い怖い」





 ヘラヘラしながらYシャツのボタンを一つ開ける唯太。





 「秋那の胸、すごくk「変態ッ!!」ぎゃ」






 ゴンッと音がする。
普通中身が男ならやらねェだろ。





 「何がだめだったのぉ?!」





 「男同士だぞ?!馬鹿かお前はッ!!」






 「こんないい胸してるくせにぃ」






 ツンッと胸を指でつつかれる。
気持ちいい?
んなわけねーだろ。
イラッときた。






 「お前そんなに殴られたいか」






 「あははーちょっと触っただけじゃない」





 それがイケナイんだよバカ。
しかし重たいな、胸…。
女ってこんな重いもんもって走ったりしなきゃいけないのか…。






 「女ってスゲーな…」








(何がすごいの?)
(ワクワクしてんじゃねーよ…)





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