「……誰?」
「えっ、ちょっと酷くない?何年一緒に居たと思ってるのさ」

信じたくない現実がやってきたときは本気で現実から逃げたくなると言うのは本当だったらしい。

「あ、あんな所に蝶々が…」
「え?何?存在自体消されちゃった感じなのこれ」

一つ言っておきたい。私の知り合いの内で何年も一緒にいるのは、緑のポニーテールの底抜けに明るいバカだけだ。断じて抹茶ソフト何かじゃない。と信じたい。

「……いや、真面目にリュウジ?緑川?」
「うん。この際格好とかは気にしないでよ」
「……あんたさ、テレビ出てなかった?物凄く電波キャラで」

私が現実逃避したくなる気持ちも察してほしい。何故なら今私の目の前にいるのは、各学校をサッカーボールで破壊しまくって、雷門イレブンに負けたジェミニストームのキャプテン様だ。他人の空似とか、痛すぎるコスプレとかならまだ解るけど、正真正銘本物だ。

「とりあえず、サイン下さい。お母さん、息子がテレビに出るような有名人になって嬉しいよ。」
「誰がお母さんさ、いやあれには色々と事情があって…」
「うん、その辺は深く聞かないからいいとして、何でうちにいるの?」

玄関を跨いで向かい合う宇宙人と一般人。おかしい、何かおかしい。

「あー、何て言うか。施設から追い出されちゃったから住ませてくださいっ!……って感じ?」
「何でよ!?」
「袖振り合うも多生の縁って言うじゃないか」
「ここでまでことわざ使う気か!?」
「魚心あれば水心ともいうよね?」
「断ったら家破壊されちゃうの!?」

うん、このアホな掛けあいができるのはあいつしかいない。



居候が一人出来ました
(お邪魔しまーす)
(ちょ、親居るんだけど!)
(あらっ、リュウジ君じゃない?大きくなったねぇ)
(あ、おばさんお久しぶりです!)
(何で突っ込みもないの!?)


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リュウジはこのまま住み着きます
ギャグって難しい

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