※百合ってるよ!
 駄目な人は疾風ダッシュで今すぐ逃げて!







「マキュアちゃん、起きてる?」
「起きてるよ、どうしたの?なまえ」
「今日、一緒に寝てもいいかな?」


夜も更けて自室の窓から、まあるい月が樹海を照らして薄く光るのが見える。部屋の照明を落として、何をするでもなくそれを見ていた。街中みたいに車のエンジンの音は聞こえないし、そうでなくとも防音設備がきちんとしているのだ。静かで、静かすぎるから夜は嫌だ。そんな時に嬉しい来訪者。イプシロンでは補欠として試合に出されることはないが、私の大切な友達。


「どうしたの?怖い夢でもみたの?」
「えっと、ね…マキュアちゃんに会いたかったからじゃダメ?」
「ダメじゃない、マキュア嬉しい」
「そっか…、マキュアちゃん夜一人でいるの嫌でしょ?」


だから来たの、とにこりと笑うなまえをみて泣きそうになったのだけど、なまえの前だという事と、自分のプライドが許さない事もあって、何とか瞳に溜まった涙は零れずに済んだ。


「マキュアねなまえの優しいとこ大好きだよ」
「あたしも、マキュアちゃんが弱いとこ見せてくれるのがうれしいんだ。」
「当然よ、マキュアもなまえが泣かされてたら飛んでいっちゃうからね」
「ふふ、それがもしデザーム様とかお父様だったら?」
「う、…友達の為だもの!頑張るわ!」


なまえは女の子らしくて、私からみても魅力的。可愛くて可愛くて、たまに胸の奥がきゅーってなって、それが心地よくて、それから苦しくて、友達相手にこんな風に思ってるのはおかしい、んだと思う。きっとなまえが私の心を見透かせたなら、すぐに離れていってしまう。


「マキュアちゃん?」
「…あ、ごめん、ボーッとしてた。眠いのかなぁ?」
「えっ、じゃあ早く寝なきゃ!睡眠不足はお肌の敵だよ!」
「それはなまえもだよ、欠伸してるじゃん。ほらベット入って」
「はふ…うん、今日の練習疲れたんからね…おやすみマキュアちゃん」
「おやすみ」


一人用のベットに詰めて二人で入ってるのだから、必然的にくっつかなければいけない。暫く目を瞑っていたのだけど、逆に目が冴えるばかりで眠れそうになかった。余程疲れていたのだろう。ベットに入ってから五分と経たないうちに、隣から小さな寝息が聞こえてきた。

ねえなまえ、私が好きだって言ったら何て思うかな。「あたしもマキュアちゃんのこと大好きだよ」って、いつもの笑顔で返してくれる?きっと優しいなまえはそういってくれるよね。なまえと一番仲が良い友達、今の私にはそれで十分。だけど、もし本当に気付いてしまったら…?

夢のなかにいるだろうなまえに口に出さずに語り掛ける。なまえの薄桃色の頬に自分の唇を押しあてて、そっと抱き締めた。お願いだから私から離れていなかいでよ。




まるで冷凍庫のなかのキス





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しょっぱなからガチは
ヤバいだろうと言う事でソフトな百合に
マキュア好きすぎる^^

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