「お前ら揃いも揃って客人に失礼だと思わねぇのかー!!」

来客者である凌牙に対する無礼に遂に堪忍袋の緒が切れたのか、遊馬はわぁっ、と大声を上げて喚いた。後輩が怒り心頭に怒鳴り散らす様を久々に目にした凌牙は数度瞬きをした後に、未だわあわあ騒ぐ遊馬の肩に手を置いて制した、途端に三体のアンドロイドの視線が険しくなったが黙殺する。辺りを警戒する猫のようにふぅふぅと荒い息をしながら、遊馬はアンドロイド達を睨め付けた。流石に主の睨みは応えたのか、三体は瞬間的に目を逸らす。

「…V、W、そしてX。そこに座れ」

それは実に静かな声だったが、その分冷徹な怒りが伺えた。先程凌牙を睨み付けた時の勢いは何処へやら、遊馬の静かな怒声にアンドロイドは肩を竦ませ各々の顔に困惑の色を浮かべる。床に正座させられた三体はしょんぼりと肩を落として遊馬の怒りの声を聞いていた。

「あのな、幾らお前らが機能最高性格最悪だったとしてもだ。初対面の客人にそんなことするのは失礼通り越してもはや暴力だ、暴力」
「だが、その…私達は遊馬の為を思って…、」
「うるせぇ、口答えすんな、メモリぶっこ抜くぞ」

必死に弁解しようとした最後の乱入者ことXであったが、遊馬の罵声に身を竦ませて黙らざるを得なかった。普段だったら冗談ととれるものだが、今の遊馬は冗談抜きで中枢機能とも言えるメモリを容赦無く引っこ抜くかもしれない。怒り心頭な遊馬を前にしてアンドロイドたちは罵声に耳を傾け、蚊帳の外な凌牙は唯呆然と立ち尽くすしかなかった。



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