(男鹿葵)俺のもの ※ドSな男鹿がいます。
あたしと男鹿が付き合い始めて1週間がたった。
でも、ここ3日ほど男鹿の様子がおかしい…。
目が合ってもすぐに背け、すれ違っても知らんぷり…。
正直つらい……。
3日前………。
「邦枝〜お前、もうすぐ誕生日なんだって?」
いったい誰に聞いたのか、神崎先輩がいいだした。
「姐さんに気安くはなしかけるんじゃないよ!」
「ぁんだ、くそアマ!!」
寧々と二人で喧嘩を始め出しそうになり、
「ちょ、やめなさい二人とも!!」
「なら、誕生日パーティしないとな♪」
あたしの言葉を遮るように、東条先輩がいいだした。
「いいねぇ」
それに乗るかのように下川、真田兄弟、姫川先輩をはじめとしたクラスのみんなが賛成をし始めた。
「ちょっと!別にいいってば…。」
否定してみるものの…。
「いいんじゃないっすか姐さん!!ね、千秋?」
「楽しいはず…!」
「ほんと、大丈夫だから…」
そういいながら、チラリと隣をみる。
男鹿は寝ている。
(だって、誕生日は男鹿とデ、デートの約束してるし…なんていえない……///)
「じゃ、決まりだな!!5日後の放課後、教室で邦枝の誕生日パーティだ!!」
(いよいよ、明日…か)
そんなことを思いながら眠りについた。
翌日……。
「行ってきまぁす。」
(帰ったら着替えて…つ、ついにデート…//)
「おい…。」
ふっと顔を上げると……
「え…?男鹿!?」
目の前には男鹿がいて、何故か私服で…。
ツカツカ……
あたしの手を掴み、無言のまま強引に引っ張って行く。
「ちょ、男鹿!!学校は…」
「…」
「まっ…どこに行くのよ!?」
やっぱり無言の男鹿…。
そういえば、べるちゃんがいない。
「べるちゃんは…?」
「置いてきた…。」
はぁ、これから何処に行くんだろう……。
着いたのは、男鹿の家。
そのまま、男鹿の部屋まで行く。
「……男鹿?」
「誰もいねぇぞ。」
「へ?」
「家族は旅行。ベル坊とヒルダは魔界に帰ったから…。」
ダンッ!!
「った…。」
あたしの手首を壁に押し付け、男鹿が密着してくる。
「…な、なに!?」
「なに!?じゃ、ねーよ。お前…わかってんの!?」
とたん、噛みつくような激しいキス。
「……っぅん…ぁ…な……に?」
「お前は…誰のものだ?俺のものだろうが!!」
また、噛みつくような激しいキス。
「…んぁっ。誕生日パーティの……ぁぁん…こと?」
「わかってんじゃねーか」
そっと、ベッドに押し倒されあたしの上から被さってきて、今度は長く甘いキス。
「ん…ぁ…でも、男鹿…寝て……た…じゃな…ぁん…い」
「耳は起きてた。」
男鹿の手が背中に回り、ブラのホックを探す。
その間にも、唇は首筋を這う。
「ぁ…やん……めて。」
「やめてほしいか?」
ブラウスを捲り、お腹、横腹、おへそに吸い付いてくる。
声がだせずにただうなずく。
「だったら、お願いしろ。」
「や…めて…男鹿…。」
「ちがう、やめてください。」
「やめてください…ん…ぁ…男鹿…。」
スカートを捲り、太ももに指が這う。
「………やめてください、男鹿様だ!!」
「んぁ…やめ…めて……くだぁ…さ…い…んぁぁ…男鹿…さ…ぁまぁ…。」
いい終えると、男鹿がスッとあたしから降りた。
まだ、息が苦しい。
「……悪い。俺、嫉妬したんだ。」
「……ん。」
「邦……あ、葵は俺の彼女なのに、なに話しかけてんだって。そもそも、く…葵だって俺のことちゃんと好きなのかなって思っちまった。」
「ばか…。男鹿のばぁか。好きじゃなかったら…男鹿なんか簡単にやっつけてるわよ。」
ちゅう…。
優しく吸い付く唇。
「葵、好きだ。」
キスとの合間に聞こえる囁き。
優しく髪をなでる手。
全部大好きだと全身で感じる。
「葵、誕生日おめでとう。」
「っ…ふ、ありがとう。」
「なんでも、一つだけ葵の欲しいもんをやる。」
なんでも??
ならば、答えは簡単だ。
一つしかないじゃないの。
「男鹿…。あたしが欲しいのは男鹿の全部。」
「……とっくにお前のもんだろ?」
変な奴…。
とつぶやきながら、
いままでで一番甘く、優しいキスをした。
END
ちなみにその頃…。
(姐さん、風邪で休みだって)
(寧々さんせっかく、ケーキ焼いてきたっすのにね。)
(どれどれ…。)
(あ、食べんな神崎!!)
(…………!?大森、塩と砂糖間違ってねーか!?)
(ば、ばか///ドッキリに決まってるでしょ!?)
(かわいい…。)
持ち寄られたお菓子で楽しく過ごしたそうな…。
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