(男鹿葵)誓い※ゴーストパロ

ガタゴト…ガタゴト…。

葵が高校最後の年から付き合い始めた。
学校の帰りに、二人で電車に乗って帰る。

コトン…。

葵の頭が俺の方に乗りかかる。

「…ん。おがぁ…。」

寝言で俺の名前を呼ぶ。ホント、かわいいやつ。
このまま、一生葵との幸せな日々が続くと思っていた。

あの時の俺は、ホントに幸せだった。
それを…。奴が…奴が…全部、ぶち壊した。



20歳の春…。

ベル坊もでかくなっていなくなって3年。
葵との婚約が決まった、あの日の帰り道。
急に仕事で呼び出された俺は葵のほうをちらりと見た。
あいつは、ふっと笑って「行ってきなよ。先に帰ってごはん用意してるから。ね?」と俺に諭した。

本当はあの時、仕事なんかほっといて葵と一緒に帰ればよかったんだ。
なのに…。俺は…。

「…わかった。すぐに帰ってくるから!!」

なんて、言ってほって行ってしまったんだ。


ブブブブブ…ブブブブブ…。
携帯のバイブ音にディスプレイを見ると、姉貴の名前。

「姉貴?俺、今…『何してんの!!!??辰巳!!!葵ちゃんが、葵ちゃんが…。』

「…へ?」


『葵ちゃんが…車に轢かれて…。』

姉貴の声が頭から離れない。
わめきながら会社を抜けたのは、覚えているがそこから、どうやって病院まで来たのかもわからない…。
ただ、靴も履いていないところ、走ってきたような気がする。

ついた時には、葵はもう、この世にいなかった。

「…うそだ。なんで、なんで葵なんだよ…。葵が何したってんだよ…。」

自分でも情けないほどに、床に座り込んでしまった。

グイッ!!

「男鹿!!あんた…姐さんを、姐さんを…幸せにするんじゃなかったの!!!????」

大森に胸倉をつかまれゆすられる。
ジジィの罵声や、光太の泣き声が遠のいていく。
気が付いたときは、自分のベットの上で夢と思った。

『辰巳…。ごはん出来たわよ?いつまで寝るのよ…もう。』

「あおい…。」

ぎゅ…。

抱きしめたはずの葵はそこにはいなくて、机の上にメモが残っていて。

『葵ちゃんの葬儀は明日だから、ゆっくり寝なさい。 美咲』

また、座り込んでしまった。

「うわぁぁぁぁあ!!!!」

町に出て、警官に押さえつけられるまで暴れてジジィに殴られて怒鳴られた。

「しっかりしろ!!つらいのはみんな一緒じゃ。現実を受け止めろ。」

「…わかってる……。葵は…葵は…死んだんだろ…」

「あぁ、買い物の帰りに青信号を渡っていたところ突っ込んできた車に……あ!」

「…おい、待てよ。葵は信号無視ではねられたんじゃねーのか!!!????」

「あ、いや、その・・・。」

ばつが悪そうに黙り込むジジィ。

「犯人は…犯人は捕まったんだよな?」

ジジィを揺さぶりながら問い詰めた。

「…まだじゃ。」

「そうか…。わかった。」


叫ぶジジィの声は聞こえないふりをした。
この時、俺は復讐を誓った。

まずは、目撃者がいねーかを確かめる。
事故現場に行って、近くの人に事故のことについて聞く。

仕事はやめてやった。
あの日俺を呼び出さなければ葵は死ななかったかもしれないから。
俺らを引き裂いた会社なんか辞めてやった。

5日の聞き込みの結果、車のナンバーと車種がわかった。
そっから、その車を買ったやつがいることを知った。

ゆるさねー…。奴には葵と同じ目に…それ以上の苦痛を味わって…。

死んでもらう。



TO BE CONTINUED

すいません、続きます。
長くなりそうです…(^_^;)

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