(寧々)あなたはいったい誰のもの?

「いやいや…さすがに神崎君でもこれだけは譲れないなぁ〜。」

「あん!?その手を離せやゴラ!!あ゛!?」

「ちょ…痛いっての!!」

一人の少女を間に挟み、言い合いする神崎と夏目…。

「神崎さん、大森が痛がってますよ!!ほら、夏目!!お前もだ。」

「黙れ城山!!ヨーグルッチ2つ買ってこい!!」

はぁ、とため息をついて走っていく城山。

「大森、お前いくらで俺の女になる?」

「いや、いくら出されてもならないし…。」

「ばぁか!!金でつろうとするからだこのヌメ川!!」

「うるせ!!」 

「てか、早く寧々ちゃんから手離してよ神崎君ー。」

「あー!夏目!!今、お前大森を下の名前で…!!」 

「神崎さ〜ん。買って来ましたよ〜。」

よこせとばかりに手を城山の方に向ける。

「はい。」

ぽんっと2つのせたあと、城山は寧々に向かってイチゴミルクを渡す。

「疲れただろ、後で飲んどけ。」

「な、抜け駆けすんな城山!!」

「大森、今日、イタリアンなんか食べに行かないか?」

「お前ら…」

神崎が罵声を浴びせようとした時だった。

「おはよう…って何してんのよ、あんた達?」

「ふぁ〜…んぁ?ケンカか?」

仲良く登校、男鹿と葵。

「あ、葵姐さん。はざいます。男鹿っち、今日もねむそうっすね。」

「由加、これどうゆう状況?」

「なんか、ぱねぇんっすよ!!寧々さんが逆ハーレムみたいで、先輩達が取り合ってるみたいっす。」

「んぁ〜。……。おーい!!お前ら〜。」

「あ!?なんだ、男鹿!取り込み中だ!!」

「そうだよ、男鹿ちゃん。男の勝負に水指すもんじゃないよ〜。」

「おまえら、いくら出したらその手を大森から離す!?」

「耳元で騒がないでよ!?」

「大森は!!」
 
叫んだ男鹿に全員の視線があつまる。

「大森は、俺の…」

「ちょ!?男鹿っち!?姐さんの前でなにいって」

「俺の葵のものだろ?」

ひょいっと葵をお姫さま抱っこして寧々の前に運ぶ。

恥ずかしくて男鹿の胸板に顔を埋める葵。

ほいっ!!と言いながら寧々に葵を差し出す。

「ちょっとだけ貸してやらんこともないこともないこともない。」

「それってどっちよ…。」

「わぁ〜ん…。姐さ〜ん…。」

「わぁ!!寧々。大丈夫?」

「10分だけだからな!!」

抱き合って泣く寧々と慰める葵を見て、男達は羨ましいと思った。

END 

(くそ〜。五分にすればよかったぜ!!)

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