(男鹿誕)プレゼントあげます。ver1


夏休みも終わる頃――…。

「んあぁー…あっちーなぁ…。」
アイスを買いにスーパーに足を向ける男鹿。

近くのデパートにが目に止まった。

(あー…アイツになんか買って行くか!!)

日頃の感謝を込めて愛しの彼女にプレゼントを贈ることにした。

(なんだったら喜ぶかな…。アイツ、結構、努力家だから文具がいいかな…。いや、時計もいいよな〜。)

悩んで買ったシルバーのペアリング売り場で綺麗な黒髪が目の端に写った。

「………あ…おい?」

それは、紛れもない自分の愛しい彼女だった。

「あ、邦枝先輩!!これは、どうですか?」

「ちょっと、待っててば古市君!!」

そして、その腕には親友の古市…。

「な…んで?」

買ったペアリングが手から離れて床に落ちた音がした。


何かの間違いだ。
葵が古市なんかを相手にするわけがない。
きっと、古市に無理やりつれてかれたんだ。

「俺は、葵を信じる。」

そう、心に誓った。



次の日ー…。

「古市…。」

「なんだよ?」

「昨日、葵と一緒にいたよな?」

「ち、違うぞ!!」

ジリジリと、太陽の照りつける公園。

「なにがだ…。」

「ちょっ!!まっ!!落ち着け男鹿!!」

「じゃあ、なんで葵と二人で楽しそうにしてたんだ!?」

「……そ、それは、ちょっ…。」

「てめー!」

「ちょっ!!男鹿?なにしてんのよ!?」

凛とした声ー…。

「葵…。」

「朝からケンカ?」

「ちょっと来い!!」

「へぁ!?///ちょ男鹿!?」

男鹿は、葵を引っ張って走り出した。

ついた場所は神社の近くの森だった。

「どうしたのよ?急に…」

「昨日…古市と何してた……。」

「え!?///」

「何してたんだよ…。」

静な男鹿の声ー…。

「お、教えない///!!」

「俺に言えないことなのか!?」

「ぅん…///」

「…そっ…か…。」

グッと近づいてくる男鹿の顔。

「//」

びくりと肩を跳ねさせてきゅっと目をつむる。


チュッというリップ音とともに近くの木に抑え込まれる。

「ゃ…あ…。何してんのよ〜///」

服を捲って自分を食べようとする男鹿を葵は両手で押し返す。

「嫌…か。」

「   」

耳元で、一言言い残して男鹿は葵を置いて帰って行く。


「な…で?」

取り残された葵はそういうしかなかった。



「んぁ…。って、はぁぁあぁぁぁあ!?」

「おはよう男鹿。」

「な、なんで…?なんで、お前が俺の部屋にいんだよ!?葵!!」

「昨日から、美咲さんの部屋にいたけど?…ばぁか。納得出来るわけないでしょ!?別れる…。なんて言い残して!!」

「ちょ、だっ!!おまっ!!古市と…」

「お誕生日おめでとう♪た、辰巳///」

耳まで真っ赤に染まった葵が差し出したのは…。

「はい、誕生日プレゼント。」

どこかで見たことのある、小さな包み。

「ねぇ、開けてみてよ!!」

男鹿の座るベットに腰かけて、顔をのぞきこむ。

「男鹿がなに欲しいかとか、分かんないから古市君に来てもらったの。」

ガサゴソと包みをあける男鹿に説明をする葵。

「でも、やっぱり最後は自分で決めた。男鹿の好みじゃないかも知れないけど…。」

古市の意見を聞かずに、葵自身が選んでくれたことが素直に嬉しかった。

「あっ!!」

「な、なに?やっぱり、気に入らなかった?」

「いや、違ぇけど…。これ…。」

そこに現れたのは、見覚えのあるシルバーリングだった。

「これ、俺…買ったんだあの日…。葵と古市が一緒にいた日。」

「へ?」

「…じゃ、葵…。手出して。」

「え、え、え?」

「ほら、やっぱりお前に良く似合う。」

葵の左手の薬指に指輪をはめて、にかっと笑う男鹿。

葵がもう片方をとり、男鹿の左手を手に取った。

「ごめんな…。俺…嫉妬した。葵を最後まで信じてこれなかった。」

「ふふ…。ありがと♪」

「はぁ!?お前、なんでお礼なんだよ!?」

「だって、嫉妬したのは……好きだからでしょ?///」

「……あぁ。」

ふっと笑った男鹿に、

「ほら、やっぱりあなたに良く似合う♪」

と笑いかける葵。


「でも、男鹿もこれ買ってきたんでしょ?どうするの?」

「あぁ〜…。」

「ちょ、きゃあ!!///」

「とりあえず、俺らの子供がでかくなったら、ソイツに渡そうぜ?」

そう言いながらするりと葵の服を脱がしていく。

「今日は逃げね〜の?」

ニヤリ、と笑った男鹿にそっとささやく。

「今日は男鹿の好きにしていいよ。」

「………ま、まじで?」

「ふふ…。誕生日おめでとう、辰巳。」

チュッと音を立てて男鹿の唇に吸い付いた。


誕生日プレゼントは、ペアリングと私。

END

はい、なんだこれ〜(^o^)


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