「社会の先生、ですか…?」
「そ、一応隊長やってた時に色んな場所に飛んでたからさ。地理は得意なのよ」
「でも、その格好は…」
レイヴンが今着ている服を見て、寧ろ保険医ではないのか?と問いたくなった。
「本当は保険医が良かったんだけど、青年に止められたのよー」
不服そうに顔を歪める。
何故止められたかは何となく想像出来る、が理由を聞いてみたい気もする。
「何故なんですか?」
「子供の教育に悪いからだって」
『確かに、良からぬ事を口走りそうですね…。』
いきなり子供の作り方を教える、だのなんだののたまって、押し倒されそうだ。
想像通りの返事が返ってきて、やはりこの人は良い意味で期待を裏切らない人だと改めて感心した。
「でも、ジュディスちゃんが保険医だからテンション上がっちゃったわー」
ニヤニヤとにやけるレイヴン。
『…私は只の生徒役だしなぁ』
自分の服装を見ながら、溜め息をつく。
「制服だと、尚更子供っぽく見えちゃいますよね…」
「アルエちゃんは、それが良いのよ。寧ろ、先生と生徒のイケナイ関係(ハート)みたいな感じで燃(萌)えるじゃない」
と、アルエの肩をがっしりと掴んで力説する。
「いや、あの」
「そうね、禁断の愛ってヤツかしら?背徳なオーラが出てヤらしーわねぇ」
「れ、レイヴンさん?」
「アルエちゃん、こんなシチュエーションほどおいしいものはないわよ」
レイヴンの目の色が変わるのが見てとれる。
――なんか、ヤバそうです。
(どんな先生になろうが、結局先生になっている地点ですでに子供の教育に悪いような気がする!)
せんせいごっこ