「あ、ひ…ッ」
「死んじゃいそうになる位気持ちイイでしょ?」
「あ…やだ、それ、いやぁ…っ」
「まだイけるでしょ?我慢しなくて良いからイっちゃいな」

部屋中に蒸せ返る匂いと熱気。
嫌いではないけれど、あまり気持ちの良いものでもない。

レイヴンが試しに使ってみたいから、と言って妙な軟膏を使われてから身体中が熱い。
どうやらそれは媚薬効果があるものらしい。
何度達しても、身体の疼きや熱が治まる事はなく、先程からこうしてレイヴンに何度も蹂躙させられている。


「いやぁッ、許して…っやめて…!」
「理性なんて保ってたって、ロクな事になんないわよー」

ガタガタと震えるアルエを上から見下ろす。
疼きが止まらなくて、頭がおかしくなりそうな様子を見ていると、益々いとおしさが込み上がってくる。


「ね、アルエちゃん」
「あ…ッ、なん、です…?」

アルエの耳元に唇を寄せ、耳朶を軽く噛んでやる。

「孕ませたら、怒る?」

屈託のない笑顔を向けながら言った台詞はとんでもないものだった気がしたが、今のアルエにはその言葉に反応する余裕すらなく、ひたすら首を横に振っていた。


『いつものアルエちゃんなら殴られてもおかしくない台詞だわね』


辛そうに声をあげるアルエの身体を抱きながら、レイヴンは一人苦笑を洩らした。



(後々が面倒だし、今はまだ我慢と言うことにしておくか)



熱帯夜

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