「喉、痛む?」
「ん…、まだ大分痛いです…」
久しぶりにハルルに立ち寄ってから喉の調子が悪い。
花粉症なのか、それとも唯の風邪なのか。
どちらにせよ、早くこの痛みを何とかしたいところだ。
「そんな可哀想なアルエちゃんにプレゼント」
にっこりと(不気味な)笑みを浮かべたレイヴンが取り出したのは瓶詰めの蜂蜜だった。
「蜂蜜、ですか?」
「そ。喉が痛いときは蜂蜜を使うと良いらしいのよ」
『ん…?使う?』
レイヴンが発した言葉に疑問を浮かべる。
普通、使うではなく、食べると言わないだろうか。
「あの、レイヴンさん」
「なぁに?」
「‘使う’じゃなくて‘食べる’の間違いじゃ…」
「いやー、‘使う’で良いのよ」
ニタニタと笑いながら瓶の蓋を取ると、蜂蜜をアルエの体に掛け始める。
「ちょおっ!?レイヴンさん、何してるのですかー!」
「食べるだけじゃないのよ、塗っても良くなるらしいってね」
「いやっそこは喉と全然関係ない場所…ッ」
「細かい事は気にしないー」
「きゃああっどこ触ってるんですかー!」
「蜂蜜プレイも捨てがたいわねー。いただきます、なーんてねぇ」
喉の痛みを和らげさせるという優しさが、いつの間にかアルエと蜂蜜プレイをするという邪な感情に変わっていた。
むしろ、最初からこの為だけに蜂蜜を用意していたのかもしれないが、真相はレイヴンのみぞ知る。
――ぬるぬるして、気持ち悪いです…。
(気持ち良かったかどうかは別として。)
はにぃがーる