「んぅ…」
「アルエ…ッ」

普段は落ち着き払って、部下にも信頼されている隊長なのに。
今、目の前にいる彼は最早余裕を無くし、女にがっついている只の男に成り下がっていた。
それでも、他の男とは違い、幾らかは理性を保っているらしい。

「アルエ、大丈夫か?」
「あ…だいじょ…ぶ、です…ッ」
「そうか…、少し動くから、辛くなったら言いなさい」

汗で額に貼り付いた前髪を優しく掻き上げてくれる。
ゆったりとした律動に安心感を覚える。

「ひゃ、あ…!」
「此処か?」

一際大きな悲鳴を上げると、シュヴァーンが嬉しそうに顔を覗いてきた。

「あ…!そこ、だめっ」

身体を離すように腕を突っぱねるが、その腕を手に取り引き寄せ、逆に身体をすっぽりと包まれてしまった。

「怖がらなくて良い、恥ずかしい事じゃない」
「やっ、はしたないです…っ」
「恥じらう姿も可愛いが、たまには晒け出したらどうだ?」

と、律動を先程より強弱を付け、穿つとびくりとアルエの背中が反る。

「…イきなさい」

シュヴァーンの声に応えるように、アルエはシュヴァーンにしがみつくと、二、三度身体を震わせたが、途端に力を落としシュヴァーンに凭れる。



「はぁ、はぁ…」
「良い子だ」

くしゃりと頭を撫でると、擽ったそうにアルエが反応する。

「シュヴァーン、さん…?」
「どうした?」
「シュヴァーンさんは、出さなくて大丈夫です、か?」
「正直、大丈夫ではないな」

困ったように笑い、肩をすくめた。

「私ばかり…ごめんなさい…」
「はは、心配してくれるのか。優しいな、アルエは…」
「だ、だって…!」
「そのまま出したら妊娠してしまうかもしれないぞ?」
「私は、それでも…」
「…良いのか?」

いつになく真剣な面持ちで尋ねられる。





――それでも、構わない。むしろ、それを望んでいる。



(なんて言ったら怒る、かな?)



優しさ

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