――何か小さくないですか?


足元にいる幼女を見下ろし、レイヴンは驚きを隠せない様子でいた。

「こんなすがたれ、ごめんなしゃい」
「いや、うん、それは良いけど…なんで?」
「あう…それが、わかんないんれす…」


――やべ、舌足らずなアルエちゃん無茶苦茶可愛いんだけど。


電気のスイッチに中々手が届かず、ぴょんぴょんと跳ねるアルエを見て、抱っこしてあげたほうが良いかどうか尋ねたくなった。

いや、それよりも服を買ってあげようかと尋ねた方が良いだろうか。
さすがにシーツで一日を過ごすわけにもいかないだろう。

「あのさ」
「は、い?」
「服、買ってあげようか」
「ないとだめ、れすよね…?」
「あと、どうでもいいけど“だ”は言えるのに“で”は言えないのね…」
「んぅ…」

図星を突かれ、レイヴンを睨み付けてやるが、レイヴンはそれすらも楽しんでいるように見える。


――あーあ、睨んでるつもりなんだろうけど、目ぇ、潤んでるわよ…。



舌足らず

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