皆とは少し離れた位置に居るレイヴンを発見し、ほかの人に気付かれないようにレイヴンに近付く。
「レイヴンさん…」
「おかえり、アルエちゃん。…あらら、派手にやっちゃったねぇ」
アルエの姿を見、すぐに怪我をしている事に気付いたレイヴンは溜め息を吐く。
「すみません、皆には…」
「わかってるって。いらっしゃい、すぐに治療してやるから…化膿したら大変っしょ」
手早く消毒薬と包帯を用意すると、治療に取り掛かる。
「ありがとうございます」
「一人だと危険だって、散々言ったはずよね?何で言うこと聞かないかね…」
「…ごめん、なさい」
レイヴンの目がいつになく、険しさを帯びている事に気付き、ビクリと身体が跳ねる。
今までにこれほど厳しく言われたことがあっただろうか。
確かに、身勝手な行動をとった自分が悪いのだが…。
それも、役に立ちたいからであって、周りに迷惑を掛けるためにしたわけでは無いことを知って欲しかった。
険しい瞳