―料理に失敗しました―



「あーう…今回も失敗しちゃった…」
「アルエ、料理下手だったっけ?」
「初めて作るものは何回も作らないと成功しないんです…」

アルエとリタがお好み焼きのはずであった、謎の物体を見下ろしながら溜め息をつく。



「あー、腹減ったわーって、どったの、二人して」

そこに腹を空かせたのか、レイヴンがやってきた。
初めは状況が把握出来ていなかったみたいだが、二人の手元をみて把握したらしく、溜め息をついた。



「…で、何を作りたかったの?」
「お好み焼きです…」
「これじゃあ、もんじゃ焼きにもなれてないわよ」
「あう…」
「そこまで言うなら、アンタは作れるの?」
「当たり前じゃないの、おっさんを誰だと思ってるの」
「胡散臭いおっさん」
「あのねぇ…」

リタが言い放った言葉に肩を竦める。

「ほら、リタっちはあっちで待ってなさい。アルエちゃんは残って、見て覚えなさい」
「は、はい」

と、言うが早いか、レイヴンはそつなく調理をこなしていく。

「粉はね、ダマにならないように水を少しずつ加えて溶かすの。あと、水の分量間違えてたわよ」
「はい」
「混ぜるのは、材料を全部切って、焼く前で良いから」





「ほら、出来た」
「わあ、私が作ったものと全然違います…」
「早く持っていってあげな」
「あ、はい…レイヴンさんは?食べないのですか?」
「うーん、おっさんはね…」

暫く考え込むようにしていたが、何かを閃いたような顔をし、

「後でアルエちゃんを食べるから」

と、言った。

「え、あ、ちょっと…」
「料理の講習代は必要でしょ?」



――早く料理に慣れなければ!



(その内自分が料理されてしまいそうです)



料理教室?

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