レイヴンがサバ味噌が好きな事を知ってから、アルエがレイヴンの為にサバ味噌を作る事が出来るように練習をしていた事はレイヴン自身も知っていた。
実際にアルエが作るサバ味噌は今まで食べた中で最高の出来だった。

頼めばいつでも作ってくれるのだが、こういう時だからこそ、と言うのもあってか、お願いをしたのだった。
何よりも、自分が甘い物が苦手だと言うことに配慮して何が良いかを訊いてくれたのが一番嬉しかった。

「愛、かしらねぇ」

いつのまにか頬が緩み、にやにやとしていた自分に気付く。
にやにやせずにはいられない。
何せ、愛する人が自分のために料理を作ってくれるのだから。

「出来ましたよ」
「待ってました!」

目の前に置かれた皿からは良い匂いが漂ってくる。
いつも、この匂いに食欲をそそられる。

いただきます、と手を合わせてから鯖を一口食す。



至極の逸品

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