「レイヴンさん」
「んー?」
「さっきの授業なんですけど」
「あー、どったの?分からんとこでもあった?」
「公式、間違ってましたよ」
「…」
幾らなんでも、教師が間違えて教えてはだめだろう。
「どーしよっか、テスト来週だけど」
等と言いながらも、雰囲気はどうでも良さげな感じだった。
「テスト迄に間違いを訂正したほうが…」
「あー、そしたらテスト作り直しだわー」
さも、面倒臭さをアピールしたレイヴン。
益々、後先が不安になる。
「どうするんです…」
「めんどくせーから、そのまんま出す」
「えぇぇ!?それでも教師ですかー!?」
「いや、元々教師じゃないし」
――開き直った。
確かに元は隊長首席ではあったけれども!
作り直す気もなく、間違いを訂正しようともせず、そのくせ悪びれた様子もなく、そう言ってのけたレイヴンを不信な目で見る。
「だったら、アルエちゃんならどうする?」
「間違いを訂正して、テストも作り直します!」
「テスト作り直したら、紙が無駄になるじゃないの。エコじゃないわねー」
「え…、えぇぇ……」
――エコかエコじゃないかは、今は問題ではないでしょうに…。
(間違えて教えられる身にもなってください…)
続々・せんせいごっこ