#1

それから時間は流れ、始業式の日。
私は、職員室に居た。


「それじゃあ、今から教室に向かうから」


「はい、よろしくお願いします」


今日から通うクラス…三年A組の担任の後を追い、私は教室に向かった。
職員室から教室に向かう途中、担任が話しかけてはきたけれど、軽くかわしながら歩みを進める。


(確か景吾もA組だったわね…)


そう思うと私は口角を上がった。



職員室からそれほど離れない場所にある教室。
お約束通り廊下で待たされるのかと思ったけれど、担任と一緒に教室に入る。


「今日からこの学園に転入してきた西王子さんだ」


「西王子 京華です。よろしくお願いします」


最初だから、と少し大人しく挨拶をすれば景吾が面白くなさそうな顔をした。


「じゃあ西王子さん、あの空いてる席にいいかしら」


「はい、先生」


そう答えれば周りの羨ましそうな声が聞こえる。
何故ならその席は―


「お前にしては大人しい挨拶だったじゃねーの」


「あら、第一印象って大事でしょう?」


この、跡部景吾の隣だったのだから。

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