03
食後のコーヒーが運ばれてくる頃、ルフィが思い出したように口を開いた。
「そういや基地にいるのかな。あの…ゾロってやつ」
『!!!』
そう口にした途端、店の中に居た客が揃ってひっくり返った。
いやいや、コントじゃないんだから。
客のほうに目をやれば全員が全員、壁に張り付いて…というより、あたしたちから距離をとっていた。
「ここではゾロの名は禁句のようですね」
「ふーん」
ひそひそと、声を抑えて喋るコビーに軽く返すルフィ。
その間に他の客は席を元に戻したり、片付けをしたりで大変そう。
「さっき貼り紙を見たんですけど、ここの基地にはモーガン大佐という人がいて…」
コビーがモーガン大佐の名前をだすと、さっきのゾロの時と比較にならないような派手な音を立てて再び皆離れていった。
「え!!?」
「おお!!」
「いや、ルフィ。感心してる場合じゃないでしょう!」
「そうかぁ?」
呑気なルフィに利かないとわかっていつつも拳骨を落とした。
「とりあえず外に出ましょう」
2人にそう言ってあたしたちは店を出た。
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