01


そんな他愛も無い話をしながら、船は進路どおりに進み、目的地に着いた。


「ついた!!海軍基地の町っ!!」


「はい!!ついに!!」


島に上陸してテンションが高いのか、ルフィとコビーは港に降りてすぐそう言った。


「ちょっと、ルフィ!船繋ぐの手伝いなさいよ…!!」


テンションが上がりきってしまったルフィにそう言うも、いつものように笑っていて聞きやしない。


「あ、すみませんアンさん!」


「あ、コビーはいいんだよ!」


そう言っても引き下がらないコビーにおとなしくロープを渡し、港に繋いでもらった。
もう、ほんと、コビーの爪の垢でも煎じて飲ませてもらえばいいのに…。


「しっかし、お前すごいなコビー」


「え?」


感心したようにいうルフィ。
私も何のことかわからずに首を傾げた。


「ちゃんと目的地についたよ!」


「あたり前ですよ!海に出る者の最低限の能力です!それにそれならアンさんだってできるじゃないですか」


「あら、あたしは知識があるだけで航海術はないよ」


「えっ!!」


航海術って難しいんだよね…。ほんとそういうの苦手で…。うん。
そういう意味を含んで笑えば、呆れたようだった。


「ルフィさんだって、毎度漂流してちゃ海賊になんてなれませんよ。せめて航海士を仲間にするとか」


「ああそうする!!メシ食おう」


コビーの話に被せ気味に言うルフィ。


「これは…聞いてないわね」


「そのようですね…」


私とコビーは2人揃って溜息をついた。



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