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そんな他愛も無い話をしながら、船は進路どおりに進み、目的地に着いた。
「ついた!!海軍基地の町っ!!」
「はい!!ついに!!」
島に上陸してテンションが高いのか、ルフィとコビーは港に降りてすぐそう言った。
「ちょっと、ルフィ!船繋ぐの手伝いなさいよ…!!」
テンションが上がりきってしまったルフィにそう言うも、いつものように笑っていて聞きやしない。
「あ、すみませんアンさん!」
「あ、コビーはいいんだよ!」
そう言っても引き下がらないコビーにおとなしくロープを渡し、港に繋いでもらった。
もう、ほんと、コビーの爪の垢でも煎じて飲ませてもらえばいいのに…。
「しっかし、お前すごいなコビー」
「え?」
感心したようにいうルフィ。
私も何のことかわからずに首を傾げた。
「ちゃんと目的地についたよ!」
「あたり前ですよ!海に出る者の最低限の能力です!それにそれならアンさんだってできるじゃないですか」
「あら、あたしは知識があるだけで航海術はないよ」
「えっ!!」
航海術って難しいんだよね…。ほんとそういうの苦手で…。うん。
そういう意味を含んで笑えば、呆れたようだった。
「ルフィさんだって、毎度漂流してちゃ海賊になんてなれませんよ。せめて航海士を仲間にするとか」
「ああそうする!!メシ食おう」
コビーの話に被せ気味に言うルフィ。
「これは…聞いてないわね」
「そのようですね…」
私とコビーは2人揃って溜息をついた。
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