02
「魔獣ねーっ」
コビーの話を聞いて、ゾロへの興味が強まったのかルフィが呟く。
「そうですよルフィさん。ロロノア・ゾロは“海賊狩りのゾロ”という異名をもつ恐ろしい奴です」
海賊狩りって…私たち狩られる側じゃない。
「血に飢えた野犬のように賞金首をかぎまわり海をさすらう男だと
人の姿をかりた“魔獣”だと人はいいます」
「ふーん」
「あら、強そうじゃない」
私がそう答えるとコビーは慌てて手を横に振る。
「強くても危険な奴なんですよっ!
だから仲間にしようだなんてバカな考えはすてた方が…」
ルフィにゾロを諦めるように説得を試みるコビーは子犬みたいで可愛らしい。
「でも別におれは仲間にって決めた訳じゃなくて、もしいい奴だったら…「悪い奴だから捕まってるんですよ!!」」
説得を失敗したコビーの肩を再びポンと叩く。
振り向いた彼に緩く首を振れば、がっくりと肩を落とした。
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