01


アルビダの船員からぶん取った…間違えた。貰った船で海に出たルフィとコビーと私。


「んーっ!ちゃんと船って感じね!!前のはたいして乗ってるって感じしなかったから」


「そりゃお前ェ、寝てたからだろう?」


「ちゃんとフーシャ村を出るときは私が漕いだじゃないの」


「そうだったけなぁ。あっはっは!!」


楽しそうに言うルフィにべーっと舌を出す。


「あ、あの…近いです、アンさん…」


顔を真っ赤にして離れようとするコビー。


「コビー可愛いっ」


あの海賊団抜けて正解だわっ!!と思いながらぎゅぅっと抱きしめれば、ルフィがつまらなさそうな顔をするので仕方なく離した。

…安心したように息ついちゃって。またするわよ。


「それにしてもルフィさん。あのゴムゴムの実を食べただなんて、驚きました。アンさんも何か能力が…?」


「いやいや、あたしは何も」


そう答えれば、ニッコリ笑うコビー。
…ほんと可愛い。


「でも、ルフィさん。“ワンピース”を目指すって事は…あの“偉大なる航路(グランドライン)”へ入るって事ですよね…!!」


「ああ」


「あそこは海賊の墓場とも呼ばれる場所で…」


「うん。だから強い仲間が要るんだ」


船首に座り当たり前に言うルフィ。
能力者なんだから万一落ちたら大変だろうに。


「これからお前が行く海軍基地に捕まってるって奴」


「ああ…ロロノア・ゾロですか?」


「…まさか、」


もちろん、私が子の手の予測を外すことなどなく。


「いい奴だったら仲間にしようと思って!」


ニッコリ、いつものように笑うルフィに、最早諦めにもにた感覚しかない。


「えーっ!!またムチャクチャなことをォーっ!!!ムリですよ。ムリムリムリ!あいつは魔獣のような奴なんですよ!?」


「そんなのわかんないだろ」


「ムリっ!!」


必死に否定するコビーといつものように答えるルフィ。


「コビー、」


名前を呼べば「アンさんからも何か言ってやってください!!」と言われる始末。


「いやぁ、こうなったルフィは頑固だよ。諦めな」


「そんな…」


私の答えにがっくり肩を落とすコビー。


…こればっかりはどうしようもない、とコビーの肩をポンポンと叩いた。



××




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