09
「はい…いりません。この船から逃げ出したくて造ったんですが、結局僕にはそんな勇気ないし…どうせ一生雑用の運命なんです。一応…本当はやりたい事もあるんですけど」
「じゃ逃げればいいじゃねェか。これで」
「ム…ムリですよ。ムリムリ!もしアルビダ様に見つかったらって考えると足がすくんで…!!恐くてとても…!!」
そう言って必死に頭を振ってルフィの意見を否定する。
行動に出せないほどの恐怖を味わったのか、それともただのヘタレなのか。
「そう…あれが運命の日でした。ぼくはただ釣りに行こうとしただけなのに、間違って乗り込んでしまったのがなんと海賊船!!!…あれから2年、殺さないかわりに航海士兼雑用係として働けと…!!」
「お前ドジでバカだなーっ」
…もう少しオブラートに包んで言えないのか。弟よ。全く持って同意だけど。
「やだ。ただのヘタレね」
「そのうえ根性なさそうだしなー。おれお前キライだなー」
笑いながらはっきりと否定するルフィにコビーは泣きながら笑った。
…もちろんその表情にはかなり凹んだ様子が見えた。
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