03

朝練を終えた冬組が談話室に入ってくる。
昨日見かけたコメントが気になって、丞に声をかける。


「ねえ、丞さ、この子知ってる?」


トイートを見せると、彼にしては珍しく驚いたような表情をしていた。


「ゆきか…懐かしいな」


「あ、やっぱGOD座だったんだ」


「あぁ。人気のある娘役だった」


「へぇ……」


事実確認をするとすごい子なんじゃん、って素直に思った。そんな子がなんでGOD座を辞めたのかは、わからないけど。あそこいろいろめんどくさそうだし、おかげで俺はこの天使と巡り会えたわけだし、深く探るのはよそう。


「ゆきがどうかしたのか?」


「え、あぁ、ちょっとね」


詳しく教えることもないか、と思ってはぐらかす。


「え、ゆきちゃん?」


そう返してきたのは、予想もしていなかった紬で、俺は思わず間抜けた声を出してしまった。


「え、紬知ってるの?」


「俺が知ってる子と一緒かはわかんないけど……」


「この子この子」


そう言ってトイートのサムネイルを見せると、うんうんって頷いた。


「俺が家庭教師で行ってる子だよ」


「へぇ……」


…世の中って狭い。
そんな世間話をしていると、稽古までの時間がそこそこヤバくなってきた。


「ヤバ……いってきまーす」


「いってらっしゃい」


紬リーダーに見送られて談話室を出る。


Toeet
たるち @taruchi_39
世間狭すぎワロタ。

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NEO @gam_neo
@taruchi_39 どうしたんすかw

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たるち @taruchi_39
@gam_neo お前は学校行け。はいおつ

Modoru Main Susumu
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