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事のあらましを全部喋ると、ダンブルドアは不思議そうに首を傾げた。
「ゆりあ、君の話を聞くに、君の年が幾らか違うように感じるのは儂だけかね?」
「へ?」
思わず変な声を出してしまったが、私は確かに向こうの世界では20を少し超えた普通の人間だった。
「君の姿は少しばかり、幼すぎるようじゃ」
そう言って、呼び寄せ呪文で引き寄せた鏡を手渡された。鏡を見れば、其処にはいつもの見慣れた私の姿じゃなくて…いや、10年前くらいには見ていたかもしれないけど。
「若返って、る…?」
なにそれどういうこと、なんて思いながら自分の体を触ると、やはり幼い頃のままで、一つの可能性が浮上した。
「トリップの、オプション…」
なんだかちょっとテンションの可笑しい友人が過去に言っていた言葉を思い出す。
『トリップ夢のセオリーといえば、主人公が向こうの世界に適応した年齢に若返ることよね!私も今からでも遅くないと思うんだ。ホグワーツに入学するのも!!』
……あの頃は全くわからなかったが彼女が言うセオリーというのは、今現在私が体験していることのことなのだろう。
本当にまさか、ではあるけど。こんなことならあの子の話をちゃんと聞くべきだった…。
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