汽車がホグワーツに近付き、ルシウス先輩は静かに席を立った。


「もうすぐホグワーツに着く。私は少し席をたつから、その間にローブに着替えるといい。いいね?」


そう言って頭を撫でられた。
…なんだろう、この人がやるとやたら変態くさい…いや、親切にしてくれたからそんなこといっちゃいけないんだけどさ。うん。


「はい、ありがとうございます。ルシウス先輩」


笑顔で返事をすれば、満足したように笑い、コンパートメントから出て行った。
それを確認し、ローブに着替えた。
それまでは、なんだか実感が無かったホグワーツに入学するということも、ローブを着ることで少し、実感できたような気がする。
それに、本来ならば監督生用の車両に居なければならないはずのルシウス先輩も、きっと気を使ってくれたんだと思う。…ただの思い込みかもしれないけれど。
でも、ルシウス先輩のおかげで寂しくは無かったし、変態だのアホだの思っていてなんだか少し申し訳ない気分になった。
…本当に少しだけだけれど。


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