うーんと背伸びして | ナノ

 2度目ましての君





「おはようございますー、よろしくお願いします」


スタジオに着き、控室に入りながら挨拶をする。


「はーい、ゆきあ。おはよう」


「おはよう、カエデさん」


カエデさんは私が読者モデルを始めて初めて担当についてもらったヘアメイクの人。
もう2年私の担当さんしてもらっている。


「今日はアイドルと仕事ですってー、さっきチラって見たら私の範囲外だったわー」


あっはっは、って豪快に笑うカエデさんに私も笑みがこぼれる。


「アイドルさんとの仕事とか、初めてだな」


「いつも通りやればいいのよ」


そう言いながら手早く私の衣装とメイクの準備を進めていく。
彼女の言葉は本当にそう思って言ってくれているから、自信もってお仕事ができる。


「いつもありがとね」


「あら、ゆきあは最高の作品になるって私は思っているだけよ」


なんて、口は悪いけどこんなこと言えるくらいには仲良しなんだ。
てきぱきと進み、進行時間よりも早く準備が終わったけど、そわそわして落ち着かない私はスタジオの方へ行くことにした。

「葛城さん入りまーす!」


「おはようございます、よろしくお願いします!」


そう言いながらスタジオ入りすると、そこには相手となる男の人もすでに入っていた。


「今日はよろしくお願いします。葛城ゆきあです」


「コチラコソ、よろしくおねがいシマス、六弥ナギと言いマス」


そう言って振り向いた彼は今朝声をかけてくれた人で。


「Oh…朝のレディ。これは運命デスネ」


そう言って私の手を取る彼は慣れてて、なんだか朝とずいぶん違う感覚。
本当はただのチャラい人?なんて思うけど、見た目が見た目だからか様になってる。
人間の優劣はこんなとこにでてくるのか、なんて思ったりして。


「撮影始めまーす」


スタッフの声に返事をし、私たちは仕事へと向かった。



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