そのよん
「あはは、汗びっしょりだね。いい試合だったよ」
「ふぅ……。シャワー浴びたいです」
「楽しかった!盛り上がったよな!」
「盛り上がりすぎてこっちは待ちぼうけだわ…」
「かなめちゃん…」
黒髪の子が疲れたような顔をしながら言い、ちっちゃい子が笑顔で楽しそうに笑う。そして大神さんには呆れた顔をされた。相当だと思う。大和ならまだしも、大神さん…。
「さて、君たちのマネージャーと振付師を紹介するよ。小鳥遊紡さんと轟かなめさんだ」
「あ……。さっきの女の子……」
「小鳥遊紡です。新人でわからないことばかりですが、よろしくお願いします」
「轟かなめです。小鳥遊事務所の所属ダンサーです。これからよろしく」
頭を下げる。
メンバーもぺこ、って頭下げてくれた。
「みんなの試合、すごく感動しました!真剣で、一生懸命で、誰からも目が離せなくて……」
紡ちゃんが皆に目を輝かせてさっきの試合の感想を述べる。
「ワタシもあなたから目を離せませんでした。美しいマドモワゼル」
「ひゃ……っ」
紡さんの手を取り、口づける外国人風の男の子。
「よく聞いて、マイガール……。指先に送るキスは、ただの挨拶ではありません。2人の愛のプロローグ……」
「よせって、困ってるだろ!」
「OH、ミツキ。恋の邪魔はいけません」
恋の邪魔って…。一目惚れかな。
「もちろん、レディ、アナタもデス」
私の手も取って口づける彼に苦笑する。
「まったく。あんたの国の奴、みんなそんななのか?」
ちっちゃい子が外国人風の子を止めてくれた。
「そうですけど、何か?」
しらっと言っちゃう彼も彼だ。
「マネージャーかぁ。こんな若い子で大丈夫なのか?」
「新人だともおっしゃってましたよね」
「あ、あの、ええと……」
大和と黒髪の子が紡さんに言う。困った顔をしながら紡さんは次の言葉を探していた。
「年齢は関係ないよ。しっかりした感じの子じゃないか。よろしくお願いします、マネージャー」
「よろしく!さっきは応援してくれてありがとう」
「は、はい!」
「振付師も、だいぶ若いしな」
「大和、私これでも実績あるわよ」
「あの、二人の関係は…?」
「「幼馴染です(だ)」」
「「えー!!」」
よくもらう反応に私と大和は目を合わせて笑った。
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