昨日、部活終了後になにか待ち受けてるかな、って思っていたら拍子抜けするくらい何もなかった。
嫌味のひとつやふたつ言われる覚悟していたんだけどな。
他の部員がフォローしてくれたのかな、って思うとありがたいと同時に申し訳なさがする。


それからの部活は、今までしなくてよかったボトル配布、タオル渡し、ボトル回収と今までしてくれたことが当たり前のように私一人に回ってくる。
まあ大変だけど、部活の空気もいい感じだし、これはこれで良しとしようと思う。
皆が部活に集中してるのがひしひしと伝わってきて私も気が引き締まってきた。


「集合!」


溝口コーチからの招集に部員がわらわらと集まる。


「練習試合に追加があった。来週の火曜日、放課後に行うからな」


その言葉に私はぞわりとした。
対戦校は烏野高校。そこは、確か。


「飛雄が、行った高校・・・」


私が中学時代可愛がってた後輩が進学していった高校。
私個人的には、うちの学校に来て欲しかったけど、及川の猛烈な反対に少し大人げないと思ったのは内緒だ。ほんとうちの主将様は…。
私の呟きに顔を顰める元北一生。
いやぁ、嫌われてますな。王様は。


「ま、相手がどこの学校で練習試合だろうと勝つのは俺たちだよ」


『はい!』


及川の鼓舞に周りが返事をする。
これは、おもしろい試合が観れそうだ。


「名前、にやけすぎ、気持ち悪い」


「殴るぞ、松川」


笑顔で返してやればひくりと頬を引きつらせる。


「よーし、練習再開するぞ」


溝口コーチの言葉に練習メニューに戻る。
今日もまた熱い体育館になりそうだ。


 


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