その日の放課後。
いつも通り部活があった後、ミーティングを行う、と岩泉が言った。
岩泉が言うと及川より集合率が良いというか皆ちゃんと真面目に聞く。それでいいのか主将。もう主将交代したほうがいいんじゃないか主将。


「はーい、皆ごめんね。自主練の時間もらっちゃって」


ニコニコと笑いながら部員の前に立つ及川。
それはいつも皆に見せる心有る笑顔じゃなくて、お外向きの余所行き笑顔。
部員はその顔に何か察したのか、少しぴりっとした空気になった。・・・マネージャーは違ったけど。


「集まってもらった理由はね、今年全国に行くつもりでいるんだよね」


ニコニコ、笑顔を崩さない。


「それで、本題なんだけど・・・

やる気のない部員、及び名前ちゃん以外のマネージャーは辞めてもらいたいと思ってる」


一気に表情変わって、すごく真剣な顔で私たちマネージャーのところを見る。
え・・・?と固まる他の子達を横目に見る。


「強豪校として恥じない部にするために、これは決定事項で、さっき監督と溝口くんにも許可をもらいました」


「なんで苗字さんだけ・・・!」


いち早く復活したのは私と同じ学年の子。
名前も覚えてないけど。キャーオイカワサーン勢の中でけっこうリーダー格張ってた子だと認識してる。


「それはさ、部のために仕事してるかどうかだよね」


きっぱり言い放った及川を睨むわけにはいかず、私を睨むマネージャー達。


「退部届けは明日か明後日までに出して。今から頑張る、っていうのはもう受け付けないから」


はい、ミーティング終了。今日はもう帰ろうね。


そう言って解散を促す。
え、このタイミング私すごく気まずいんですけど。


「名前ちゃんはちょっとこっちでこれからのこと話そっか」


「及川、これ以上は恨まれそうで怖いよ私は」


「ごめんね」


いつもどおりふざけてるような声だけど、表情は真剣で今年にかけてる及川の気持ちがひしひしと伝わってきた。


「いいよ。この部を支えるって決めたのは私だから」


そう言ってスタメン陣と一緒に今後の部活の回し方について話し合った。


 


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