松川の後ろを歩きながら屋上に向かう。
「なー、及川なんだと思う?」
「あの脳内お花咲いてそうな子の考えてることなんてわかりません」
「ブフォッ」
後ろに大草原が現れそうな笑い方をする松川。だって及川最近特に何考えてるかわからない。キャーオイカワサーン勢なマネージャーに愛想振りまくのもやめて、ファンの子達にも曖昧な笑顔で返すことが増えた。
「ほんと、何考えてんだか・・・」
そう思いながら屋上の扉開ければ、すでに食べながら談笑してる残りの3人がいた。
「うーっす」
「まっつんと名前遅かったじゃん」
「購買混んでっからな」
そう言いながら輪に混ざれば、ニコニコ通常通りの及川と目が合う。
「で、わざわざ呼び出して何?」
及川に問いかければ笑顔を崩さないまま一言。
「マネージャーさ、辞めてもらおっか」
そう言い放った。
「「「はあ?」」」
「あ、名前ちゃんじゃなくて、他の子ね。名前ちゃんは辞められたら困るし」
「あぁ・・・あいつらか」
岩泉が頷きながら答える。
「そう。これから大変な時期にさ、ああいう子たちはいらないんだよね」
スパッと言い放つ及川に他の3人は頷く。
「まあ名前がいれば今のところ回ってるしネ」
花巻がデザートなのかメインなのかわからないシュークリームを食べながら、そう言う。
松川も岩泉も頷いてるし、及川も満足そうな顔だ。
「まあ、他の子たちから名前ちゃんに何かあるかもしれないけど、何かあったら言って」
「うっす。・・・ごめんね、及川。迷惑かける」
「俺は主将だからね」
そう言ってピースする及川に、少し泣きそうになった。
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