思わぬ遭遇

 
 
「お疲れさまでしたー」


先輩たちに声かければ、自主練も終えた先輩たちから、おー、だとかお疲れーとか声をかけてもらい部室を後にした。


今日は皆いい調子だったな、、、なんて思ったら私も自転車に乗りたくなってきた。
帰る足も徐々に早くなり、私の願望を満たすだけに早足で帰路についた。


家に帰って早々に制服にハーフパンツという中途半端な格好で愛車のPINARELLOにまたがった。
さすがに暗くなっているから遠出は無理だけど近所のコンビニくらいなら大丈夫だろう。
そう思い自転車で走り出した。


踏めば力になる。進む。この感覚が好きで今でもたまに乗っている。
楽しくなってきて笑顔がこぼれる。
たまらない。そう思いながらいつもより少し遠目のコンビニに向かった。
途中で原チャリを抜いた時に「ハァっ!?」ってどっかで聞いたことのある声が聞こえた気がしたけど振り返ることなく進んだ。
ていうか、どこで聞いたんだあの声。ま、いっか。


爽健日茶と軽いチョコ菓子を買って外に出ようとしたらコッペパン・・・もとい“荒北靖友”に出会った。


「おめぇ何してんだよ、こんな時間によお」


「荒北クンこそこんな時間の出歩いてていいんですかー」


少しウザさ増して言えば向こうはわかりやすく眉尻を上げた。

しかもわざわざ向こうから話しかけてくるとか何。私と荒北靖友そんな仲じゃないけど。


「それも一日に2回もあんなほそっこいチャリに負けて意味がわかんねえんだよ…」


ぶつぶつと呟きながら飲み物売り場に行く荒北靖友を後目に会計をする。
あー、なんか疲れたな。早く帰って新商品の桜のチップス食べよう。

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