テニス短編 | ナノ

 通称美男子

あかん、こいつほんまもんのアホや
普通自分では言わんやろ
むしろ、誰が奇跡的な美男子やねん


通称 美男子




「ちょぅ、侑士」


「なんやねん」


部活から帰ってきて、疲れている侑士に敢えて問うた。


「…こんなこと言われて恥ずかしくないん?」


そう言って、うちが差し出したのは、月に一度発行される広報部の新聞。
相変わらず、跡部くんかっこええわ…。
…やなくて!今月写っとる侑士の写真の隅に書いてある文字。


“奇跡的な美男子”


…誰、書いたの。ちょっとお姉ちゃんに教えてくれないかな。




「別に何も間違ってへんやん」


しばらく紙を見とったけど、すぐにそう答えてうちに返した。


「いやいや…この発言恥ずかしくないんかって、聞いてんねんで?」


「どっから如何見ても、美男子やんか」


「…唯の変態やんか」


そう言うと、無言で蹴られた。
…なんで蹴るねん!




「あんなぁ、別に誰かに美男子やって認めてほしくてそんなん書く許可出したんやないで?」


「ほな、なんでなん?」


うちの顔をじっと見てたけど、不意に顔を逸らしよった(何気失礼やで!!)


「なぁ!なんでなん?」


「そんなん、自分で考えろや!」


「わからへんから聞いてるんやんかぁ」


ぶぅ、と頬を膨らますと、少し面倒な顔をしながら、うちのこと抱き寄せた。


「お前が跡部ばっか見とるからやんか」


そう耳元で言う侑士の顔が真っ赤やったのは、見んかったことにしよう。
ヤキモチ妬きやねんから(笑)



END




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