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幼少の頃住んでいた家には、いつもたくさんの人がいたわ。
みんな、みーんなお父様の部下でとってもいい人たちばかり。
ずっとここで一緒に暮らせると思っていた。
―けれども。
「ロベリア、俺様の言うことを聞け」
「そんな…どうしてですか、お父様!」
お父様は私に日本の“奴良家”へ行くようにと命じた。私はただ、お父様のお傍に居たいだけなのに。
もちろん、私のわがままなど聞きいれてもらえる筈もなく、泣きながら準備をした。
「ロベリア、我が君はあんたを心配しているんだ」
「そうよロベリア。こんな小さな貴女をここに居させるのはとっても危険だわ…」
「ベラトリックスお姉様…ナルシッサお姉様…」
時が経てば、またお父様と暮らせる。
それを夢見て私は日本へと旅立ったのだ。
―それからすぐだ、
お父様が…ヴォルデモート卿が倒されたと、とてつも焦った様子のベラトリックスお姉様に伝えられたのは。
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