君が来るまであと“10分”!

Atention!
揺らせ!と同一主人公です





朝、アラームを止める。
大好きなアーティストさんのインディーズ時代の楽曲は、前から私の目覚ましソング。
未だ覚めない頭を軽く掻き、眠たさに目を細めながらカーテンを開けた。

ちょうど、隣のセブルスも支度を終えたようで、制服を着て窓際に立っていた。


「おはよう、セブルス」


「今起きたのか……寝癖」


指でさされた方を触ってみると、明らかに変な方向に跳ねていた。


「あー…めんどくさいなぁ…」


「…待っていろ」


お互いの部屋はほぼ屋根伝いになっていて、セブルスは慣れた足取りでトタン屋根を渡ってきた。


「一応、年頃の娘なんですけど」


そう呟けば軽く鼻であしらわれてしまった。


「今更だろう?そもそも、年頃の女というのは、こういうことをさぼらないものだ」


そう言いながら、セブルスは慣れた手付きで寝癖を戻してくれた。
本当、意外にもこういうの上手だよね…。


「ぱふぇ、そろそろ準備をしたが良いのでは?」セブルスに髪をしてもらって、存外気持ちよくうつらうつらしていると軽く頭を叩かれた。
そしてその言葉に慌てて時計を見ると、そろそろ朝食の時間になろうとしていた。


「僕は戻るから、早く終えてしまえ」


そう言って来たときと同様に、窓からトタン屋根を渡り帰っていった。


「後で、な」


「うん、後で!」


慌ただしく準備をしながら部屋に戻ったセブルスに返事をする。
…ここだけの秘密だけれど、めったに笑わないセブルスが必ずこの時は薄く笑ってくれる。

さて、早く準備しなきゃね!!



君が来るまで
あと“10分!

(あれ、もう来たの?)
(…お前が遅いだけだ)








コンセプトはいつもの朝!


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