コードは“0214チョコ花”
え、なに皆浮き足立っちゃって。
リーマスが機嫌いいのはすごくいいことだけど、だってほら、魔王さま…
「ぱふぇ?」
「ひぃっ!なんでもないですぅぅ!」
笑顔の中にある黒い空気に思わず謝っちゃったけど、いや、ほんとに怖くて。リーマスの隣にいるピーターも縮こまってるじゃん。
「ぱふぇはなにがつまらないのかい?」
「え、そんなの決まってるじゃない」
あれよ、あれ。デレデレしよってあのアホ!!
そう念を込めて女の子に囲まれてハーレムを形成しているシリウスを顎でさす。
「ははーん。彼女としては面白くないわけだ」
「うるさいわよ。そんなんだからリリーからチョコもらえないのよ、」
そう言ってさっきリリーからもらった友チョコを見せつければ、ムンクの叫びのように顔に手をあてショックをうけるジェームズ。
「リリー!!なんで僕にくれないんだ…!」
「え、ジェームズもらってないの?」
「え、?」
リーマスとピーターが首を傾げて私と同じ包装された箱を取り出した。
それによけいに凹むジェームズ。…今はコレに構ってる場合じゃない。
「どうかしたか?」
「べっつにー」
ツーンと、自分でも可愛くないな、って思いながらも返事をする。
「何拗ねてるんだよ」
反応に気を悪くしたシリウスも、少しムッとしたのがわかる。
「それがわからないとは、女の子の気持ちがわからないな、パッドフット」
「お前はわかるっていうのかよ、プロングス?」
「当たり前じゃないか!なぁ、ムーニー?」
「うん、ピーターもわかってるようだよ?ね?」
「あ…、うん」
ピーターが返事したのを見てよけいに拗ねたようで、シリウスが隣にドサッと座った。
「……」
「…なに、」
差し出された手に、理由がわかっていてもあえて聞く。
「ぱふぇはチョコ、くれないのかよ」
「いっぱいもらって鼻の下伸ばしてたの誰よ」
あえて可愛くない言い方する。ごめんね。でもね、やっぱシリウスは私のでしょう?
「…悪かった」
こてん、と私の肩に頭を置いてくるシリウス。
ちょっと周りの視線きついけど最早慣れてしまった。
「…ん、」
チョコを渡すと、花でも咲くんじゃないかと思うくらいのいい笑顔。
「俺からはこれ」
渡された花束には愛の言葉がたくさん。
花言葉、考えながら選んだのかな、なんて思うと笑えてきた。
「なんだよ?」
不満か?と聞く彼に意地悪。
「この花の意味、全部言える?」
そう問いかければ顔を真っ赤にして一つ一つ説明してくれて、やっぱり嬉しいやら照れくさいやらで。
素直にはなれないけど大好きだよ。
END
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