君の笑顔
「レギュたん!レギュたん!!」
スリザリンの談話室に走って現れたぱふぇ。
性格から何から、スリザリンらしからぬ彼女は、いつも以上に騒がしく女子寮から降りてきた。
「なんですか、五月蝿いですよぱふぇ」
「五月蝿くないもん、レギュたんの意地悪!」
ぷく、っと頬を膨らませる彼女に、多少可愛い、と思うなんて…。
ぱふぇと一緒に居る時間で毒されたのか…。
「…その歳で“レギュたん”って呼ぶの止めてください。気持ち悪いですよ」
どうにかして止めさせたいあだ名に、眉間に力が入る。
僕だってこの歳で“レギュたん”だなんて、呼ばれたくない。
「冷たい…!!でもそんなレギュたんも素敵!」
はぁ…。
つい零れる溜め息。
いつもいつも、彼女はこのやりとりで終わらせてしまう。
…僕に学習能力が無いわけではない。どんなに言っても返事はこれしか返ってこない。
「雪、降ってるんだよ」
「だからどうしたというのですか」
目を輝かせて言うぱふぇに、少し呆れる。
子供なのか…いや、年齢的な区分ではまだ“子供”ではあるが、幼すぎる。
「…レギュラスと、過ごしたかっただけだもん」
「ぱふぇ…」
「それにほら、今日はクリスマスだしね!」
にっこり、今日一番の笑みと共に抱きついてくる彼女。
仕方ないから、今日はぱふぇに振り回されてやろうか。
Merry Xmas!
2011.Xmas
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