とりっく おあ とりーと

暖色系が多い装飾。




かぼちゃを切り抜いたランプ。




一番輝いてるのは。




隣の貴方


「おはよー」


語尾に星が付きそうなくらい明るい声で、男子寮から談話室に出てきたアホ…もとい、リーマス。
それもそのはずで、今日はまさに彼の為にあるような日、ハロウィン。
いつも以上に爽やかな笑顔を見せて、いつものメンバーの所に向かった。


「何ニヤニヤしてるのぱふぇ?」


「リリー」


「またリーマス見てニヤついてるわよ、貴女」


親友のリリーが私の肩を抱きながら話しかけてきた。


「今年の最初の犠牲者は誰かな、って」


再び視線を4人に戻せばあたふたするシリウスとジェームズの姿があった。
ピーターには昨日のうちにチョコを渡しておいたから大丈夫そう。


逃げる2人を良い笑顔で追いかけるリーマス。
…ってこの方向は…!!


「ま、頑張りなさいよ」


ポンと私の肩に手を置いて逃げるリリー。
…薄情者…!!
そう思っても眼前に迫るしたり顔のジェームズとシリウス。…こいつら…っ


「あとは任せたぜぱふぇ!」


そう言いながら憎らしいほど良い笑顔で通り過ぎて行ったシリウスに殺意を覚えた。

なんてシリウスに苛ついても仕方ない。
目の前で止まった笑顔のリーマスを見て、私の顔は引きつった。


「やぁ、ぱふぇ」


「…おはよう、リーマス」


「ねぇぱふぇ?今日は何の日かなぁ?」


今まで見たことないんじゃないかって思うくらいのいい笑顔で言う彼。
…ほんと、ピーターにお菓子あげなきゃよかった…。


「あはは…何の日だろうね?」


恐らく引きつっているであろう顔にムリヤリ笑顔を貼り付けて少しずつ距離をとる。

…つもりだった。


「やだなぁ、これだけの装飾がされていて気づかないの?」


「あ、ははは…」


がっちり掴まれた右腕に逃げることができなかった。


とりっくおあとりーと!!


(え、持ってないの?仕方ないなぁ…)
(いーやぁぁあああああっっ)


2011.10.29.
2011.Halloween


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