変わることはない




「ハーイ、ジェームズ。ご機嫌いかが?」


「なんだユウカかぁ」


ニコニコ笑いながらジェームズに挨拶をすれば、いつものように胡散臭い笑顔で返された。
私とジェームズは所謂“幼なじみ”とかいうもので、それもお互い魔法族ってことを隠していたからホグワーツの許可証が届いた時には驚いた。
だってジェームズは、昔から悪戯にしか興味がない子で近所では有名な悪ガキ。
そして私はそんなジェームズに振り回される哀れな女のk…


「…誰が哀れな女の子だよ」


「何開心術使ってるのよ、変態」


「変態ぃ?君が声に出して言ってるから、心優しい僕が変質者に間違われないように教えてあげてるんだろ?」


「変質者って…!!そもそもジェームズ、あなたが過去に行った悪戯でどれだけの被害を被ったと思っているの?」


そう、幼い頃一緒にいた私は、彼の悪戯にどれだけ、どれだけ迷惑被ったことか…!!
近所の人は私を見て「まだポッターに引きずり回されてるのかい…?」なんて聞いてくるしまつ。


「そんなんだから、あの子にも嫌われるんじゃないかしら?」


ズバッと言うと、ジェームズは結構なダメージを食らったみたいで、大袈裟に傷ついたアピールをしてきた。



「…ユウカ…君、スリザリンに行って性格歪んだんじゃないの、?」



「あら、じゃああなたはグリフィンドールで頭が緩んだんじゃないの?」



嫌味を返せば顔を歪めるジェームズ。
ほんと、ここに彼の友人が居なくてよかった。



「ま、あなたらしいっていったらあなたらしいわね」


「…君も、ね」



そう言えば、二人でおかしくなってきて笑った。



「あ、リリーっ!!」



たまたま視界に入ったエヴァンスに走っていくジェームズに、苦笑を漏らした。


「またね、ユウカ」


「えぇ、またね」


(私があなたを好きだったなんて、あなたは知らないでしょう)


でも私はきっと、この距離感が心地良くて動けない、そんな臆病者なの。



end.


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