01

家の中がそわそわしている。


今日は、予定ではホグワーツからの入学通知が届く筈の日。
兄様は、確実にホグワーツからの手紙が届くだろうな。


でも、
でも、私は…


スクイブかもしれない。
今まで魔法使いの兆候は無く、マルフォイ家の人間としてお父様やお母様に恥ずかしい思いをさせてる自覚はあった。


なんでも出来る兄様と、出来損ないの私。


不安だらけで今日が来るのを待った。


「カリーナ、大丈夫よ」


「はい…お母様…」


優しく頭を撫でてくれるお母様を見つめる。


「お前が魔法族かどうか、今日ではっきりする」


冷たい声で言うお父様に、体の筋肉が強張る。
もし、もし届かなかったら…。


不安に視線が落ちる。
その時、家の大広間にマルフォイ家の梟が優雅に止まった。
お母様が梟に近付き、足に括り付けられた手紙を取り宛名を確認した。


『ドラコ・マルフォイ様』
『カリーナ・マルフォイ様』


「貴女にも来てるわよ、カリーナ」


お母様に手紙を手渡され、一気に気が抜けた。
それは、お兄様もそうだったみたいで、ゆっくり息を吐いていたようだった。


「ふん。お前も立派に魔法族だったってわけだ」


「お兄様にも、ご心配をおかけしました」


「父上と母上にも、だ」


「はい、わかっています。お兄様」


お兄様にぎゅぅ、と横から抱きしめられながら、いつもみたいな口調で貶された。


「ドラコ、カリーナ、授業に必要なものを買いに行くから準備をしてきなさい」


「「はい、お父様(父上)」」


漸く、私が認められた気がした。


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