「話は終わったようだな」
2人っきりの部室に、少し気まずさを感じていたら、お兄ちゃんが部室に入ってきた。
そういえば、連絡したんだっけ、なんて少し思ったりした。
「跡部…」
「アーン?」
当たり前のように私の隣に座るお兄ちゃんに、少し戸惑う宍戸先輩。
「今まで、すまなかった。その、部内のこととか…」
「んなもん、お前の問題だろうが。俺はコイツに危害がいかなければそれでいい」
そう言って私の肩を抱くお兄ちゃんに、驚いた顔をする宍戸先輩。
「え、ざくろと跡部って…」
「兄妹だ」
「はぁっ!?」
驚く宍戸先輩に少しビックリして、体が跳ねた。
…お兄ちゃんは一言「煩ぇ、」って呟いただけだったけど。
「いや、でもお前ら苗字違うじゃねぇか」
「神田は母方の姓だ。ざくろが入学する時に俺様のことに巻き込まれないように変えるように言った。…まぁ、今回はそれが仇になっちまったがな」
「私の希望でしたから、仕方ないですよ、…お兄ちゃん」
学校で“お兄ちゃん”と呼ぶのに違和感があったけれど、それはお兄ちゃんも一緒のようで、苦笑していた。
「まぁ、そういうわけだ。ざくろとの関係も近々公表することになっている」
「ああ…それまで黙っていればいいんだな?」
「そうしてくれ」
話が終えた頃には、もう5時間目が中盤までいってしまい、今日はこのまま放課後まで部室にいることになった。
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