02



「おや、目が覚めたのかい?」


…なんだろ、この軽くイラッてする感じは。


「…ここはいったい…?」


急に景色がさっきから変わりすぎて脳内での処理が追い付かない。


「ここは君がこれから生活していく部屋だよ。何も、心配することはない」


「いや、だから…」


状況に着いていけないんだってば。
そう答えるよりも先にこの自称神様は消えてしまった。


「ちょっと、無責任すぎるんじゃないの!?」


これからの生活が不安で泣けてきた…。
だけどここで嘆いていてもどうしようもないので、とりあえず部屋を見て回ることにした。


部屋の間取りは2LDK。1人で生活するには広すぎるくらいだ。まだ部屋の中を見たわけではないからよくわからないけれど、このリビングだけで暮らせそう。
それに、キッチンはアイランド式になっていて、器具も一通り揃っている。
…ほんと、なんでもありだな、あの(自称)神様。
ただ器具があるだけで皿とかは見当たらない。いや、こんなフードプロセッサーよりそっちのほうが重要でしょ!!
あれかな、私の趣味がわからないからなのか、な…。私は(自称)神様の頭の中身がよくわからないよ…。


「とりあえず、必要な物を書き出しておかないと…」


私の鞄の中に入っていた手帳を取り出し、メモのページを広げる。
皿やコップ等とりあえず必要な物を書き出しリビングに戻る。
リビングには大きなテレビとパソコンが置いてあり、黒のローテーブルとソファがある。この部屋は特に不便もないし、いいかな。


開けた部屋はどうやら寝室ではないようで、この部屋に関しては本棚があるあたり、書庫として使えってことかな…?
そして、もう一つの部屋、寝室は、全体的にモノクロで統一されていて、女らしさはない色味だった。
ベットに机椅子。それに全身鏡…ってちょっと待って。


「どういうこと…?」


鏡に映るその姿は若い頃の私そのもので。年は14、15くらいだろうか。とりあえず、約10年くらい若返っている。


「待って、状況が、追いつかない…」


一生懸命今まで整理したことが抜けていく。
えっと、これはほんとどういうこと…?これが、あの(自称)神様のいう遊び?
慌ててクローゼットを見れば、そこには白を基調とした制服と封筒。その封筒に書かれている文字は、


「山吹中学校編入案内…?」


山吹中学校って、なに?え、ちょっと待って。




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