01
あれ、おかしい、な…?
来る筈の衝撃も無く、いつの間にか悲鳴も消えていた。
恐る恐る、目を開けると、見たことのない真っ白な部屋。
「え、何処よ、此処…」
周りを見回しても、何も手がかりになりそうなものは無く、ただ白く、永遠に続いているんじゃないかと思うほどの広い部屋。
「おや、気がついたようだね?」
「うわっ!」
部屋を一周見回した正面に、顔のやけに整ったブラチナブロンドに青い瞳のお兄さんがいた。
「あははっ!ごめんね、驚かせちゃったみたいで」
全く謝る気がないかのように聞こえかねないトーンで謝る不審者。
…あれ、この場合どっちが不審者なんだろう?
「不審者だなんて、失礼だなぁ。僕は時の番人。…まぁ、人によっては神様、なんて呼ぶかな」
「イタい系の人ですか」
「違うよっ!」
まるで厨二病みたいなことを言うからイタい系の人に見える。
イケメンなだけに残念だな。
「まぁ、どうでもいいけどそのカミサマがいったい何の用?あたしはあの時…」
あの時、死んだ筈だ。
衝撃も何もなかったから、本当に死んだのかわからないけれど。
「君は死ぬ予定だったんだけどね、ちょっと僕の遊びに付き合ってよ」
そう言うカミサマ(自称)の最後を聞くと、急に瞼が重たくなって体が重たくなって……
――次に目が覚めた時に居たのは、知らない部屋の私と相変わらずのカミサマ(自称)
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