これを読む前に必読




私を見てほしかった。
愛してほしかった。

欲張りだったのかな?

気がつけばあなたは私以外の人のモノ。



「リリーっ!今日は一段と美しいよ!」

「うるさいわよ、ポッター」

毎日毎日、グリフィンドール寮の談話室で繰り返される恋愛劇。

「ねぇ、名前からも何か言ってやってちょうだい」

「はははっ、今日も元気ね、ジェームズ」

「名前こそ!今日も体調良さそうだな」

輝かんばかりの笑顔で返事をするジェームズ。
リリーの前だから?なんて、醜いこと考えてしまって、私は頭を振った。

でも、最近リリーあんまり迷惑そうにしてない…

沸々と湧き上がる嫉妬に、また自己嫌悪した。


「名前?どうかしたのか?」

「んーん、なんでもないよ」

隣のソファーに座っていたシリウスが怪訝そうに眉を寄せた。

「お前はいつも、彼奴の前以外では辛そうだからな」

そう言って苦笑するシリウスに、なんだか居心地が悪くなった。
まるで、心の中を見透かされたような、そんな感じ。

「もう、慣れたから」

そう、もう慣れたんだ。

そうやって自分に言い聞かせた。
心の悲鳴は、聞こえないフリ。


多分、私の方がいっぱいジェームズのいいとこを言えるよ。
だって、ホグワーツに入学してからずっとずっと、見てきたから。
もちろん、この想いと一緒に。

それなのに、ジェームズはいつでもリリーを見てて、私は多分只の友達。
それか、リリーの連れ。そんな認識なんだろうな。

もうこれも4年ちょっと見てきた。
心が叫ぶのも、同じ時間分蓋をした。

こんな醜い私を知られたくないから。


多分、この時の私はもうすでに、壊れてしまっていたんだ。
それも修復なんて、出来ないほどに。
気がついたら、シャワールームに居て、眉剃りを片手に握りしめていた。

愛して

小さく呟いて一気に腕を切った。
何度も、何度も。痛みが感じなくなるまで。

“ピチャ…”

力が抜けて、その場に座りこむ。
なんだか、目も霞んできた。

「ジェー、ムズ…」

愛しています。狂おしいほどに。

人差し指のから何か漏れてる

瞳の裏に見えたのは
キミの笑顔


(最後に聞こえたのはリリーの叫び声と、シリウスの焦った声)








だから、何が書きたいんだってばよ。あたし。
暗いお話が無償に書きたくなったんですごめんなさい。
一応注意書きにも必読にもこういう話があると書いてるので、クレームは受け付けません。すみません。
そして最後のひろいんの言葉は4文字です。
愛して、助けて、大好き、苦しい
他にも名前さんが感じた言葉を入れてください。

2011.11.18.

title by 剥製は射精する

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