06
羽ペンを置いて頷く。
これは魔法史での提出レポート並みのいい出来だと思う。
そういう思いを込めてジュリエッタの方を見れば、何故だか口元を押さえてる・・・一体どうしたのかしら。
「ね、ねえ鈴香・・・ちゃんと私の描き方、見てたわよね・・・?」
「もちろん。ジュリエッタのを凌ぐくらいいい作品になったと思うわ!」
そう言って胸を張れば、堪えきれなくなったのかジュリエッタは笑い始めた。
「あははははは!いいわ!!いいわそのセンス!誰にも真似なんてできやしないわ!」
笑いながらも褒めて(?)くれているジュリエッタ。
一体何がそんなにおかしいのかしら。私からしてみればジュリエッタの作ったものと遜色ないほどの出来だと思っているのだけれども・・・少し不安になってきた。
「そのランタン持っていつものお 仲 間 のとこに行ってみるといいわ。素敵な反応してくれると思うわ」
笑いが止まらずに呼吸すらもままならないほどの状態になったジュリエッタに対して少し不満の表情をこぼす。
ジュリエッタは私がジェームスやシリウスたちと話すことには大して文句は言ってこない。むしろイケメンが近くで見れてラッキー。と思うくらいの面食いだから。
まあ、そんな彼女も今では彼氏持ちなんだけれども。羨ましい。
「じゃあ、ちょっと出てくるね」
そう言って初めて作ったランタンを抱き(もちろん、顔の部分が見えないように気をつけて)大広間に向かった。