回る、廻る
01
入学してから時間は流れて、厭味ったらしい同室者たちにも慣れ、授業にも慣れてきた。
唯一つ言うなら、スリザリンの中で友達らしい友達を作ることもできずに、一人でいることも多いけど、まあ、それもいいかな、なんて思える程度には慣れてきた、そんなある日。


「鈴香―!」


久々に聞く声に振り向く。


「ジェームズ!」


グリフィンドールと仲良しだなんて他のスリザリン生からしたら信じられないかもしれないけど、私は他のスリザリン生とは少しずれてるから別にかまわないかな、なんて。


「久しぶり!どうだ、スリザリンには慣れたか?」


「んー、ぼちぼち、ね。他の皆は?」


あたりを見回してもいるのはジェームズだけで、他の皆の姿はない。


「あー、今ちょっと別行動なんだ」


少し歯切れ悪く言うジェームズに最近の噂を思い出した。
何やら今年の一年には、悪戯をする輩がいる、と。まさか…。そう思ってジェームズをみるとあはは、と乾いた笑いをこぼし、その様子に頭が痛くなった。


「もう、ほどほどにしなよ?」


「ああ。じゃ、またね!」


そう言って爽やかに笑うとジェームズは走って去って行った。

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