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それからしばらくして、ダンブルドア先生の指示により、監督生について、寮に戻った。
その途中で、新入生らしき何名かに声をかけられ、名前も覚えないまま寮についた。
「むかって左が女子寮、右が男子寮になっている」
ルシウス先輩が話すたびに女子がうっとり、と言わんばかりの視線を向ける。
確かに、ルシウス先輩はかっこいい部類だと思うけれども、私にはレギュラスのほうがかっこよくなりそうで好きだ。
…姉弟の贔屓目かもしれないけれど。
寮について軽い説明を受け、私は自分の割り当てられた部屋へ向かった。
中に入れば、すでに同室の女の子は打ち解けたようで、会話に花を咲かせていた。
「あら、貴女もこの部屋なの?」
「えぇ」
どうやらこの短時間ですでにリーダー格の子が決まっていたらしく、話しかけてきた女の子が少し人を見下したようなトーンで話しかけてきた。
頭のてっぺんからつま先まで、見定めるかのような視線は正直心地悪くて、つい不快感が顔に出てしまった。
「貴女、東洋人?ちゃんと魔法族の出なの?」
「ジュリエッタ、魔法族じゃなかったらスリザリンには入れないわよ」
「それもそうね!」
アハハハ!と何が楽しいのかわからないけど、彼女らは楽しそうに笑った。
…シリウス、私はすでにこれからの生活が不安です。グリフィンドールに行けばよかった。