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“セブルス・スネイプ”
そう呼ばれた少年は、こちらのテーブルに着くと私の隣に座った。
「よろしく、ね」
「あぁ…」
返答は素っ気なく、暗いイメージを持ってしまう。
本来ならかかわりあいたくないタイプなのに、どうしてか気になってしまい、妙な緊張感を伴って、少し会話をした。
それからどれくらいが経っただろう。
他の同期生とも打ち解け、何とかやっていけそうだ、と思っていると、アルバスから注意事項が言われた。
私には関係のないことだ、と思いながらも立ち入り禁止区域である森のことだけ、頭にとどめておいた。
アルバスの言葉が終ると、テーブルいっぱいに料理が並んだ。
「うわ…」
魔法だとわかっていても、この量の多さにびっくりした。
「おや、珍しいのかい?」
そう言って少し鼻にかかるような言い方をする先輩に多少のいらつきを感じた。
「いえ、急だったものですから…このようにたくさんの料理、大変でしょうと思っただけです」
「…ふん」
まるで、庶民であるかのように言われる。今の反応で、シリウスと私はファミリーネームが同じだけの別の家庭だと、思われたのかもしれない。
それならそれで好都合だし、いろいろ巻き込まれないで済む。なんて、シリウスが何かやらかすことを前提に考えてしまった。