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古臭い帽子から紡がれる歌を聴きながら、自分の所属する寮はどこになるのかということに思いを巡らせる。
私の実の両親もここの生徒であったという事実は知っているが、それがどこの生徒だったかはわからないからだ。
個人的にはグリフィンドールはいやだな…熱血っぽそうで…。
ブラック家は代々スリザリンらしいから、きっとシリウスもスリザリンだろうし、私もそのまま一緒がいいな。
そう考えるとスリザリンかな…。
「ブラック・シリウス」
そんなことを考えていると、いつの間にか組分けは始まっていて、シリウスの番が来ていた。
少し帽子が悩んだ後に出した言葉は…
「グリフィンドール!!!」その言葉に大広間中の生徒がどよめいた。
目的通り、といったシリウスの顔は清々しいほどにいい顔をしていたが、私の顔を見ると一瞬表情を曇らせた。
「鈴香、お前も好きなとこに行け」
そう言って頭を撫でてから、シリウスはグリフィンドール寮のテーブルへ向かった。