08
大きな人、えっと、ハグリット?に連れられて船に乗った。
その頃には天候は荒れて、さっきまでの晴れやかな空は、ちょっとした嵐のような状態だった。
「大丈夫か?」
「、えぇ…なんとか…。でも私なんかより、ピーターが」
私をシリウスが気遣ってくれるのはすごく嬉しいのだけれども、私より可哀相な表情をしているピーターは、今にも船から落ちてしまいそうだ。
「ぼ、ボクは大丈夫だよ!」
声が聞こえていたのか、否定をするピーターだけど、船のふちにしっかりつかまって言うその様は、どうみても大丈夫には見えない。
「あいつならなんかあれば、ジェームズがどうにかするだろ」
少し楽観的なシリウスに苦笑しながらも、頷いた。
…その直後、なんとも情けない声を上げたピーターを、皆で必死に支えることになったわけだけれども。